トウキョウソナタ (2008)
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危うい、漠然とした不安、もどかしさ、でも朝は来るのですよ
2008/09/18
by
てるてる13
試写会に行ってきました。
カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞、アジアアラブ映画祭グランプリなど、評価の高い作品だそうです。
4人家族の崩壊を描いた映画、と言ったら身も蓋もありませんが、登場人物がみんな不満を持っています。
父親は、リストラされた、なぜ?と思う間もなく、再就職も思うようにいかない、自分のこれまでのキャリアが評価されていない、不安がいっぱいだけど、常日頃から父親の権威などにこだわっているから、とても家族に話せない。
母親は、話を聞いてもらえない、ドーナツを揚げても、免許証をとっても、かまってもらえない。誰かに引き上げてほしいと思う。
長男は、目的が見つからない、だから、米軍に入隊する。
次男は、話を聞いてもらえない、ピアノを習いたいけど頭ごなしに反対される。
こうした中で、家族がほころびを見せてきます。それぞれのあることから、それぞれが切れてしまいます。
小泉今日子さんの演じる、悩みと充ち足りなさを抱えた母親がすごい。キョンキョンにあんな風に見下されたら、たじろいでしまいます。
次男役の井之脇海さんがとても頑張っていました。いい子だよな。
むなしく、絶望的な夜ををそれぞれが過ごして、でも朝が来ます。朝日に輝いていくかのような小泉さんの表情がいいですね。
ご飯を食べるシーンがよく出てきますが、生きていくには食べなくちゃってとこですか。
みんなまじめにやっているのですが、笑いが出てきます。でも、だんだん笑えなくなってきます。みんなが漠然と感じる不安というか、やるせなさに染まっていくようです。
ラストは、唐突に終わりますが、ガーン!と感動するとか、涙が止まらなくて…、という感じではなくて、ありふれた、日常の、危うい、切実な不安を共有できた気がして、ピアノうまいな、よくやったな、飯でも食うか、みたいな会話が聞こえてくるようでした。
さて、役所広司さんはどこに登場してくるのでしょうか。お楽しみです。
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