ゆりかごを揺らす手 (1991)
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アッパーミドル(中産階級以上)の傲慢
2008/07/04
by
牧坂満
ヒロインのクレア(アナベラ・シオラ)は産婦人科で診療中に医師から猥褻行為をされたと判断して夫に相談。そのことがマスコミネタとなって、民事訴訟を起こす人が複数発生するのですが、産婦人科医にも家庭があり、それが悲劇を生んでしまうのです。産婦人科医の妻ペイトンにレベッカ・デモーネイが扮していますが、自分の子供を流産した母親としての母性本能と女ゆえの(女性には失礼)真綿で首を絞めるような復讐の手段が、直接的な暴力でないだけに恐怖感がじわりと浸透してくるのです。
舞台はシアトルのアッパーミドル(中産階級以上)の家庭であり、夫である産婦人科医の自殺により流産してしまうペイトンの不幸に対して、幸福の絶頂にあるクレアとマイケル(マット・マッコイ)の家庭が対照的に描かれています。ベビーシッターとして家庭に入り込んだペイトンは寒色系の瞳をきらめかせながら、策謀をめぐらせ、静かなる復讐劇を進めていく姿には見る者の背筋を凍りつかせます。
ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、ペイトンが仕掛けた罠とはいえ、一時は感情を爆発させて解雇した黒人ボランティアに対するお詫びの表現はあんな程度でいいのでしょうか。絶体絶命の窮地を救って貰いながら、アッパーミドルの階級意識が鼻につきましたが、皆様のご意見は如何でしょうか。…更に、自分の訴えによって産婦人科医を自殺に追い込んでいるにも関わらず、苦悩した感じは全くなく、クライマックスでも呼び捨てにする思考回路は死者への冒涜行為だと感じてしまうのは仏教国日本人の考え方に過ぎないのでしょうか。…結果的に3人の生命を奪った人間と、1人の生命を“未必の故意”で奪った人間はどちらが重い罪なのでしょうか。…クレアの自分の意見・行動によって他人の家庭が不幸になっても、自分と自分の家庭さえよければ、それでいいと納得している姿勢にアメリカ合衆国の国家そのものを感じてしまうのです。
映画はサスペンス映画の古典的定石を守りながら、ペイトンを完全な悪女として描いていないところに一味違った斬新さを感じるのです。それにしてもアメリカ合衆国のアッパーミドルの住宅街は日本のように野暮な塀がなく、道路、歩道の延長上に家が建築されているので綺麗ですね。…隣の芝生は気になりますが。
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Re: アッパーミドル(中産階級以上)の傲慢
2008/07/04 by
odyss
つまらないことで恐縮ですが、アッパーミドルというのは中産階級の中では上の方、ということでしょう。平たく言えば「中の上」ということ。「中産階級以上」というと「中産階級と上流階級」という意味になってしまいます。
細かい指摘で申し訳ありません。
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