ストレンジャー・ザン・パラダイス (1984)
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せつなくもダサイ青春
2002/11/26
by
倉島穂高
各方面でジャームッシュ監督作品の評判(大絶賛といってもよいほどの)を聞いて、何年か前にビデオでたて続けに『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ミステリー・トレイン』『ナイト・オン・ザ・プラネット』を観ました。監督の感性は確かに鋭いと思う。彼のセンスに、非常に自分の肌合いともなじむ何かを感じたことは確かです。それでは映画そのものは面白かったのか?――と問われると、うーーーむ、と考え込まざるを得ません。
ふと思ったのは(とんでもない見当違いかもしれませんが)、「青春」というものの切り取り方が、ウォン・カーウァイ監督の初期作品群に似ているなぁと。青春なんて、期待してたほどドラマティックでもなければ素晴らしいものでもなく、たいした事件なんて起こらないし恋愛も友情もそうそう思い通りにはならない。何も起こらない淡々とした日常世界で、若いエネルギーだけが妙にくすぶってイラつく。爆発するほどのエネルギーがあればドラマの生じるチャンスもあろうけれど、そこまでもいかない……こういう半端で平凡な若者の虚無感と苛立ちを淡々と切り取って見せる感性が、両監督に共通しているように思いました。
で、ジャームッシュ監督は「何も起こらない青春」を、人けのないほとんど何もない空間の中に描いています。絵的にも見るからに寒々としている。ところがウォン監督は、同じような青春模様を、人間うじゃうじゃでネオンの色彩うずまく猥雑な香港を舞台に描いている。あんなにエキサイティングな街の中でも、青春とはダサくてなんもないものなんだ、ということを見せつけるウォン監督の作品の方が、私の心にはずっしり響きます。同じアジア人の感性に惹かれる部分もあるのだとは思いますが(それから、ウォン監督作品ではありませんが、カネシロくん主演の『アンナ・マデリーナ』も、主役3人のせつないすれ違い関係が『ストレンジャー〜』に似ていると思いました)。
ごたくはさておき、「霧(吹雪?)のエリー湖」が映画史に残る名シーンであることは間違いありません。あのシーンだけでも一見の価値があります……あ、でも早送りしてそのシーンだけ見ても全然意味ないですよ(^^;)
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むしろ小津。
2002/12/04 by
春巻
ジャームッシュの淡々は、むしろ小津を思い出させるような気がするのだが。
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小津も観ないといけませんね(^^;)
2002/12/04 by
倉島穂高
ジャームッシュ監督が小津監督に影響を受けている、ということは何かで読んだことがあります。実はワタクシ、小津作品をちゃんと観てないんです……おはずかしい。有名な笠智衆と原節子のローアングルのシーンは、スチールやテレビの名場面集でずいぶん見た記憶があるのですが。
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Re: せつなくもダサイ青春
2002/12/09 by
春巻
小津作品、たしかに血わき、肉おどる、とはいかないからね。唐突に煙突がでてきたり、意味もなく床の間の花瓶が写ったり、そこが面白いといえばそうかもしれないし。わざとセリフ棒読みだし。
もうひとつ、逆らうようですが、ワン・カワイの映画ってそんなに事件が少ないですか?
カネシロなんかブタを夜中にマッサージしたりして、相当事件な気がする。登場人物もヤクザさんとか職業が特異だし。
「何もない青春」ってカンジはあんまりしない。
ただ、ニヒリズムだなあ、とは思うけど。
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