家族ゲーム (1983)
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家族ってなに?
2008/06/14
by
星空のマリオネット
この映画を表現するのは難しい。
家庭をシニカルに描いたブラックコメディー。シュールな演出。
森田芳光監督の初期の代表作で1983年度のキネ旬第1位。圧倒的な評価を得た作品です。
しかし、リアルタイムで観た時には、「一体これは何なんだ?!」という感想しか湧いてこず、自分自身に失望した記憶があります。いままで観てきた映画とは違った「新しい映画」の登場に、ついていけないという不安感。
今回見直してみて、「毒のある面白い映画だ!」ということは、なんとか分かりました。よかったというか、ほっとしたというか・・・
短編小説のような趣のあるこの映画。
細長い食卓に横一列に並んで腰かける家族4人。
この家族はそれぞれ自分の都合しか考えない。
父親の伊丹十三。母親の由紀さおり。高校生の長男と受験生の弟。
先ず歌手の由紀さおりが面白い。夫に依存し自らの存在を確認できない母親を演じて秀逸。森田監督の意表を突く配役に拍手!
父親役の伊丹十三はさすがに凄い。主演の松田優作にも負けない存在感。自身が描く家族のカタチ(息子のカタチ、妻のカタチ、そして父親のカタチ)に何の迷いもなく拘っている傲慢な男。食卓でも自らワインボトルを持ち皆に注ぐ。仕切っているのである。
そして、受験生の特権にあぐらをかき、周囲をなめて皮肉な笑いを浮かべつつ自分の殻にこもる弟。
東京湾岸に扇のようにそびえる団地には、朝、街の女が帰宅し、夜、小船に乗った家庭教師が現れる。奇妙な空間。奇妙な食卓。
そういった奇妙な空間で、お互いに正面から向い合うことのない孤立した家族たち。家族ゲームを演じている家族たち?
その中に招き入れられた一人の奇妙な家庭教師『松田優作』。
そんな家族は、彼にとって制圧すべき対象なのか、或いは狩りを楽しむ猟場なのか。欲望の赴くままに行動する彼。怒りを抑制しなくなった彼。
睫の長い端正な横顔の松田優作が耳元で囁く様は、相当に凶暴で不気味。
家庭教師を含む5人が狭苦しそうに食卓に並び、相手をまともに見ることもなく喋り食べ飲む。苛立ちが沸点に達した時、食べ物と暴力が乱れ飛ぶ。コミカルというか異常な緊張感を強いられる怖いシーン。爽快感は私にはなかった。
ヘリコプターの騒音は事件を連想させ、母親と子供たちは突っ伏している。そこに父親がいないのはなぜ?! 家族は崩壊したのか、或いは元々そんなものなのか!
不思議に面白い映画です。
PS
才気の塊のような森田監督。
「それから」「39 刑法第三十九条」「黒い雨」「阿修羅のごとく」もそれぞれユニークな表現で面白かったのですが、一番好きなのは「(ハル)」です。
でも「模倣犯」など、あれっという映画もあります。最近の映画はどうなんでしょうか?
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