カサブランカ (1942)
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意地でも優雅から転げ落ちない。慎みという名の気品。
2008/08/15
by
睡蓮
気障で格好良かった。
そして健気な姿でした。
テーマは恋愛軸にはあまりないですね。
主人公の我慢や誠意の表明が主軸になっているようだ。
ちょっとドキンとさせられますね。
なんて気品の高い人だろう。
後味でいうと、物凄く爽やかです。
第二次世界大戦の時の映画なんですね。
敵軍の大砲が聞こえるのに、
シャンパンのグラスを掲げて、ピアノ弾きに軽く挨拶するなんて、
ゆったりしていて素敵です。
意地でも優雅から転げ落ちないという、
人間としての踏みとどまり方を感じました。
生き方に気品が感じられるかどうかって、
そういう水面下での踏みとどまり方だったりするのでしょうか。
こういう、気障さは、できることなら万人に憧れて欲しいくらいのものです。
背中を押されたというより、
孤高の存在として、憧れます。
「気障でニヒルな」
とか、よく言われてますけど、想像とは全然違う姿勢でした。
遊び心は、実際まったく感じられません。
非常に切実で、無言で慎み深く座っているだけなのに、
どことなく大きな声で何かを訴えているような印象を受けました。
生き方の話でしょうね。
人間愛や折り目の正しさや、
他者への愛情を、ニヒルさで隠したような
真っ当な人間像を観ることができました。
映画に、面白みを求めないで、
立派な精神性を求めるのならば、
これは最高峰に近い映画だと思います。
昨今の映画には、正直あまり感じられない生き方です。
「政治の話とケンカはごめんだ。」
I don't like disturbances in my place.
(私の店で騒ぐとは、けしからん。)
Either lay off politics or get out.
(政治の話をやめるか、出て行くかしろ。)
「面倒はごめんだ。」
I stick my neck out for nobody.
(私は、誰のためにも首を突き出したりしない。)
とか日常生活で言ってみたい〜。
パクリでもいいから、自分のものにしてみたい、
そんな生活様式。
表現様式。
日本の暑い夏にぴったりの映画でした。
どちらかと言うと、ハッピーエンドでしょう。
ラストに悲劇が待ち構えている事も、充分考え得るストーリーですが。
ラストの落ちがちょっと意外でした。
けれど、ボガートなら無事にやっていくでしょう。
カサブランカは花の名前だと思っていましたが、
この花に
『カサブランカ』
と名づけた人は偉い。
しみじみぴったりです。
きっと花は花で、派手に魅せておきながら、
我慢していることは、必死で耐えているはずなんです。
そんな背景を想像させる、物語性たっぷりなネーミングです。
ユリのカサブランカの名前の由来は、
やっぱりこの有名な映画の地名からきているようです。
オランダでは花の名前を、地名から取ることが多いそうです。
「君の瞳に乾杯」って。
Here's looking at you , kid.
(ほら、ここで君を見ているよ、ベイビー。)
っていう位の意味なのかな。
原文の洒落具合は、作品全体と同レベルだと思う。
ここは、日本語訳が特に味わい深いものに変化したんだと思います。
実際、バーグマンのルックスは子供みたいだ。
パリ陥没のとき、昼までは晴れていたのに、
夕方の5時には土砂降りなのが、ちょっと変でした。
戦時中、砂漠の荒地から、抜け出すには、大金とコネがいる。
主人公は、荒れた地で女性と出会い・・・というこの設定、
『ブラッド・ダイヤモンド』
を彷彿とさせますね。
ラストも、まぁ似ている。
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